
遺産分割協議で財産をもらわないことと相続放棄の違いとは?司法書士が解説
相続手続きでは、「私は何もいらないので、他の相続人に全部渡したい」という場面があります。
たとえば、父が亡くなり、相続人が母、長男、長女の3人である場合に、長女が「私は相続分をもらわなくていい。母に全部渡したい」と考えることがあります。
このような場合、よく混同されるのが、「遺産分割協議で財産を取得しないこと」と「相続放棄」です。
どちらも結果だけを見ると、「その人が相続財産をもらわない」という点では似ています。
しかし、法律上の意味はまったく違います。
遺産分割協議で財産を取得しないことは、相続人であることを前提に、相続人全員の話し合いの中で「自分は財産を取得しない」と決めるものです。
一方、相続放棄は、家庭裁判所で手続きを行い、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われる制度です。
この違いを理解しないまま手続きを進めると、借金を承継してしまう、相続登記で書類が足りない、次順位の相続人が出てくる、遺産分割協議書の意味を誤解するなど、思わぬ問題につながることがあります。
この記事では、遺産分割協議で相続分をもらわないことと相続放棄の違い、債務の扱い、手続きの方法、期限、相続登記での注意点について、司法書士の視点から分かりやすく解説します。
まず結論
まず、結論から整理します。
遺産分割協議で財産をもらわないことは、相続人であることを前提に、相続人間で遺産の分け方を決めるものです。
そのため、遺産分割協議書に「長女は何も取得しない」と記載しても、長女が初めから相続人でなかったことになるわけではありません。
一方、相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、受理されることで、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われる制度です。
つまり、遺産分割協議で何も取得しないことと、相続放棄は、次のように違います。
相続人であることを前提に、財産の分け方として「取得しない」と決めるものです。
家庭裁判所の手続きにより、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われる制度です。
この違いは、特に借金や保証債務がある場合、不動産の相続登記をする場合、相続人の一部が手続きに関わりたくない場合に重要になります。
遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、相続人全員で、亡くなった方の財産をどのように分けるかを話し合う手続きです。
遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を取得するかを決めます。
たとえば、次のような分け方が考えられます。
遺産分割協議では、必ずしも法定相続分どおりに分ける必要はありません。
相続人全員が合意すれば、一人の相続人がすべての財産を取得することもできます。
逆に、ある相続人がまったく財産を取得しない内容にすることもできます。
このように、遺産分割協議は、相続人全員の合意により、相続財産の具体的な取得者を決める手続きです。
ただし、相続人の一人が何も取得しないとしても、その人が相続人であったという事実がなくなるわけではありません。
ここが、相続放棄との大きな違いです。
遺産分割協議で「何ももらわない」とはどういう意味か
遺産分割協議で「何ももらわない」とは、相続人として協議に参加したうえで、自分の取得分をゼロにするという意味です。
たとえば、相続人が母、長男、長女の3人で、長女が「私は財産をいりません」と言った場合でも、長女は相続人です。
そのため、長女は遺産分割協議に参加する必要があります。
遺産分割協議書にも、長女が合意したことを示すために、署名又は記名押印を行います。
不動産の相続登記で使用する遺産分割協議書であれば、通常は実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
この場合、長女は財産を取得しませんが、「相続人として遺産分割協議に参加した人」です。
家庭裁判所で相続放棄をした人とは扱いが違います。
したがって、「遺産分割協議で財産をもらわないこと」を、日常会話で「相続を放棄した」と表現することがありますが、法律上の相続放棄とは別です。
この言葉の使い方が、実務ではよく混乱を生みます。
相続放棄とは
相続放棄とは、家庭裁判所に申述することにより、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われる制度です。
相続放棄をすると、被相続人の財産を取得しないだけでなく、借金や未払金などの債務も承継しません。
相続には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。
不動産、預貯金、株式などのプラス財産がある一方で、借入金、未払税金、保証債務などのマイナス財産があることもあります。
相続放棄は、これらの権利義務を一切承継しないという選択です。
ただし、相続放棄をするには、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
相続人同士で「私は放棄します」と話しただけでは、法律上の相続放棄にはなりません。
遺産分割協議書に「長女は相続分を取得しない」と書いても、それは家庭裁判所での相続放棄ではありません。
相続放棄には、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内という期間制限があります。
この期間を過ぎると、相続放棄ができなくなる可能性があります。
借金が多い可能性がある場合や、財産の内容が分からない場合には、早めに確認することが大切です。
比較表:遺産分割で取得しない場合と相続放棄
| 項目 | 遺産分割協議で取得しない | 相続放棄 |
|---|---|---|
| 意味 | 相続人として協議に参加し、財産を取得しないと決める | 家庭裁判所の手続きにより、初めから相続人でなかったものと扱われる |
| 手続き先 | 相続人全員の話し合い | 家庭裁判所 |
| 期限 | 法律上の3か月制限はない。ただし相続登記義務などには注意 | 原則として相続開始を知った時から3か月以内 |
| 借金の扱い | 相続人間で取得しないと決めても、債権者との関係では債務を免れないことがある | 初めから相続人でなかったものと扱われ、原則として債務を承継しない |
| 次順位相続人への影響 | 次順位相続人が新たに相続人になるわけではない | 先順位の相続人全員が放棄すると、次順位の相続人が相続人になることがある |
| 相続登記 | 遺産分割協議書、印鑑証明書などが必要 | 相続放棄申述受理証明書などが必要になることがある |
一番大きな違いは債務の扱い
遺産分割協議で財産をもらわないことと相続放棄の最も大きな違いは、債務の扱いです。
遺産分割協議では、相続人間で「この借金は長男が負担する」と決めることがあります。
しかし、その合意は、あくまで相続人同士の内部的な合意です。
債権者との関係で、当然に他の相続人が支払義務を免れるとは限りません。
たとえば、父が亡くなり、父に借入金があった場合を考えます。
相続人である長男と長女が、遺産分割協議で「長男がすべての財産を取得し、借入金も長男が負担する」と合意したとします。
この場合、相続人間では長男が負担するという合意が成立しています。
しかし、債権者から見れば、長女が当然に支払義務を免れるとは限りません。
債務の性質や債権者との関係によっては、長女にも請求が来る可能性があります。
一方、家庭裁判所で相続放棄をした場合、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われます。
そのため、原則として、被相続人の借金を承継しません。
借金があるかもしれない相続で「財産はいらないから大丈夫」と考えて遺産分割協議だけで済ませるのは危険です。
債務を避けたいのであれば、相続放棄を検討すべき場合があります。
「財産はいらない」と言うだけでは相続放棄になりません
実務でよくある誤解が、「財産はいらないと言ったから相続放棄をした」というものです。
しかし、法律上の相続放棄は、家庭裁判所に申述して行う手続きです。
家族間で「私は放棄します」と言っただけでは、相続放棄にはなりません。
遺産分割協議書に「長女は財産を取得しない」と書いて実印を押したとしても、それは相続放棄ではありません。
この場合、長女は相続人として遺産分割協議に参加し、その結果として財産を取得しないことに合意しただけです。
したがって、借金や保証債務が後から見つかった場合、相続放棄をしていなければ問題になる可能性があります。
もちろん、相続財産が自宅や預貯金だけで、借金がないことが明らかな場合には、遺産分割協議で何も取得しないという方法が自然なこともあります。
しかし、債務の有無が不明な場合には、「財産をもらわないこと」と「相続放棄」を混同しないことが重要です。
相続放棄には3か月の期限があります
相続放棄には期限があります。
原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ相続放棄の申述をしなければなりません。
この期間を「熟慮期間」といいます。
熟慮期間は、相続するか放棄するかを検討するための期間です。
被相続人の財産や債務を調べ、相続するのか、相続放棄するのか、限定承認をするのかを判断します。
遺産分割協議には、相続放棄のような3か月の期限はありません。
相続人全員の合意があれば、相続開始からしばらく時間が経った後でも遺産分割協議を行うことがあります。
ただし、不動産がある場合には、相続登記の義務化に注意が必要です。
相続により不動産を取得したことを知った場合には、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、遺産分割が成立した場合にも、その内容に応じた登記申請が必要になります。
つまり、遺産分割協議には相続放棄のような3か月制限はありませんが、いつまでも放置してよいわけではありません。
次順位の相続人が出てくるかどうか
相続放棄と遺産分割協議で大きく違う点として、次順位の相続人への影響があります。
相続には順位があります。
まず、被相続人の子が第1順位の相続人です。
子がいない場合などには、父母や祖父母などの直系尊属が第2順位の相続人になります。
さらに、子も直系尊属もいない場合には、兄弟姉妹が第3順位の相続人になります。
相続放棄をすると、その人は初めから相続人でなかったものとして扱われます。
その結果、先順位の相続人全員が相続放棄をした場合には、次順位の相続人が相続人になることがあります。
たとえば、父が亡くなり、子である長男と長女が二人とも相続放棄をした場合、父の父母が存命であれば、父母が相続人になることがあります。
父母がすでに亡くなっていれば、兄弟姉妹が相続人になることがあります。
一方、遺産分割協議で長男と長女のうち長女が財産を取得しないことにしただけでは、次順位の相続人が出てくるわけではありません。
長女は相続人として協議に参加しており、財産の取得分をゼロにしただけだからです。
この違いは、借金がある相続で特に重要です。
子全員が相続放棄をすると、親や兄弟姉妹に相続権が移ることがあります。
そのため、相続放棄をする場合には、自分だけでなく、次順位の親族への影響も考える必要があります。
相続登記での違い
不動産がある場合、遺産分割協議で取得しない場合と相続放棄では、相続登記の必要書類も変わります。
遺産分割協議で、相続人の一人が不動産を取得し、他の相続人が何も取得しない場合には、遺産分割協議書を作成します。
不動産を取得しない相続人も、相続人として協議に参加します。
そのため、遺産分割協議書には相続人全員の署名又は記名押印が必要になります。
相続登記で使う場合には、通常、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
一方、相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとして扱われます。
そのため、相続放棄をした人は、遺産分割協議に参加しません。
相続登記では、その人が相続放棄をしたことを示すために、相続放棄申述受理証明書などを添付することがあります。
たとえば、相続人が母、長男、長女で、長女が相続放棄をしている場合、母と長男だけで遺産分割協議をすることになります。
ただし、法定相続情報一覧図には、相続放棄をした長女が記載されることがあります。
その場合、長女が協議に参加していない理由を説明するため、相続放棄申述受理証明書などが必要になります。
相続登記では、相続人の範囲を正確に判断し、どの書類でその関係を証明するのかを整理することが重要です。
法定相続情報一覧図での見え方
法定相続情報一覧図でも、この違いは重要です。
法定相続情報一覧図は、戸籍に基づいて法定相続人を一覧にした図です。
相続放棄をした人も、戸籍上の法定相続人として判明する場合には、法定相続情報一覧図に記載されます。
これは、相続放棄の事実が戸籍に記載されないためです。
そのため、法定相続情報一覧図に名前が載っているからといって、その人が実際に財産を取得するとは限りません。
一方、遺産分割協議で財産を取得しない人も、もちろん法定相続人として一覧図に記載されます。
法定相続情報一覧図は、誰が実際に財産をもらうかを示す書類ではありません。
相続放棄をした人、遺産分割協議で何も取得しない人、どちらも一覧図に載ることがあります。
ただし、法的な意味は違います。
相続放棄をした人は、相続放棄申述受理証明書などにより、その相続から外れることを証明します。
遺産分割協議で何も取得しない人は、相続人として遺産分割協議書に参加し、取得しないことに合意します。
「ハンコを押したくない」ときはどう考えるか
相続手続きでは、「財産はいらないから、手続きにも関わりたくない」「実印を押したくない」「印鑑証明書を出したくない」という相談があります。
この場合、遺産分割協議で何も取得しない方法と、相続放棄のどちらを選ぶべきかは、状況によって異なります。
相続放棄をすれば、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われるため、遺産分割協議に参加しないことになります。
ただし、相続放棄には3か月の期限があり、家庭裁判所での手続きが必要です。
また、相続放棄をすると、プラスの財産も取得できません。
さらに、先順位の相続人全員が放棄すると、次順位の相続人に相続権が移る可能性があります。
一方、遺産分割協議で何も取得しない場合には、相続人として協議に参加する必要があります。
そのため、遺産分割協議書への押印や印鑑証明書の提出が必要になることがあります。
ただし、次順位の相続人に相続権が移ることはありません。
「関わりたくない」という気持ちだけで相続放棄を選ぶと、親族関係全体に影響することがあります。
借金の有無、財産内容、他の相続人との関係、次順位相続人への影響を確認したうえで判断することが大切です。
未成年者や認知症の方がいる場合
遺産分割協議で何も取得しないことと相続放棄の違いは、未成年者や認知症の方がいる場合にも重要です。
相続人の中に未成年者がいる場合、その未成年者が遺産分割協議に参加するには、親権者が代理するのが原則です。
しかし、親権者も共同相続人であり、未成年者と利益が対立する場合には、家庭裁判所で特別代理人を選任する必要があります。
たとえば、母と未成年の子が相続人で、母が不動産を取得し、子は何も取得しないという遺産分割協議をする場合、母と子の利益が対立します。
この場合、子のために特別代理人が必要になることがあります。
また、相続人の中に認知症などで判断能力が不十分な方がいる場合には、成年後見制度の利用が必要になることがあります。
その方が遺産分割協議で何も取得しない内容にする場合も、本人の利益保護が重要になります。
相続放棄についても、未成年者や成年被後見人の場合には、法定代理人や特別代理人の問題が生じることがあります。
単に「財産はいらないから簡単に済ませる」というわけにはいかない場合があります。
借金があるか分からない場合
相続財産の中に借金があるか分からない場合には、特に注意が必要です。
遺産分割協議で財産を取得しないことにしても、債務から当然に外れるとは限りません。
後から借金が見つかった場合に、相続人として責任を問われる可能性があります。
そのため、借金があるかもしれない場合には、相続放棄を検討する必要があります。
相続放棄をするかどうかを判断するためには、被相続人の預貯金、不動産、借入金、カードローン、税金、保証債務、連帯保証の有無などを確認します。
ただし、調査に時間がかかることがあります。
3か月の熟慮期間内に判断できない場合には、家庭裁判所へ期間伸長の申立てを検討することもあります。
借金の有無が分からないまま、安易に遺産分割協議書へ押印することは避けた方がよい場合があります。
相続財産の内容が不明な場合には、早めに専門家に相談することが重要です。
不動産を相続したくない場合
最近は、「遠方の土地を相続したくない」「山林や農地を管理できない」「固定資産税だけかかる不動産はいらない」という相談も増えています。
この場合も、遺産分割協議で取得しないことと相続放棄は違います。
遺産分割協議で、特定の不動産を他の相続人が取得することにすれば、自分はその不動産を取得しません。
ただし、自分は相続人として協議に参加します。
また、不動産以外の財産や債務との関係も考える必要があります。
一方、相続放棄をすれば、その相続全体から外れることになります。
特定の不動産だけを放棄して、預貯金だけ取得するということはできません。
相続放棄は、原則として相続全体を放棄する制度です。
「山林だけいらない」「遠方の土地だけいらない」という場合には、相続放棄ではなく、遺産分割協議で他の相続人が取得する形を検討することがあります。
ただし、誰も取得したがらない不動産がある場合には、遺産分割協議がまとまらないこともあります。
不動産の場所、評価額、管理負担、売却可能性、相続土地国庫帰属制度の利用可能性なども含めて検討する必要があります。
よくある誤解
相続放棄にはなりません。家庭裁判所で相続放棄の申述をする必要があります。
遺産分割協議で財産を取得しないことと、債務を免れることは別です。債務がある場合には相続放棄を検討する必要があります。
相続放棄をすると、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われます。特定の財産だけ受け取るということは原則できません。
先順位の相続人全員が放棄すると、次順位の相続人が相続人になることがあります。親や兄弟姉妹に影響する場合があります。
遺産分割協議で取得しないだけであれば、その人も相続人として協議に参加します。実印押印や印鑑証明書が必要になることがあります。
どちらを選ぶべきか
遺産分割協議で何も取得しない方法と相続放棄のどちらがよいかは、相続の内容によって異なります。
被相続人に借金がなく、相続人間で円満に財産の分け方が決まっている場合には、遺産分割協議で一部の相続人が何も取得しない方法が適していることがあります。
たとえば、母の生活を守るために、子どもたちが全員合意して母に自宅と預貯金を取得させるような場合です。
この場合、子どもたちは相続人として遺産分割協議に参加し、「取得しない」と合意します。
一方、被相続人に借金がある場合、借金があるか分からない場合、相続に一切関わりたくない場合には、相続放棄を検討する必要があります。
ただし、相続放棄には3か月の期限があり、次順位相続人への影響もあります。
また、相続放棄をすると、プラスの財産も取得できません。
どちらを選ぶべきかは、次の点を確認して判断します。
これらを確認したうえで、遺産分割協議でよいのか、相続放棄が必要なのかを判断します。
司法書士に相談するメリット
遺産分割協議で何も取得しないことと相続放棄の違いは、相続登記や不動産の名義変更に直結します。
司法書士は、相続人調査、戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成支援、相続登記申請を行う専門家です。
不動産がある相続では、誰が相続人で、誰が不動産を取得し、誰が協議に参加すべきかを正確に整理する必要があります。
相続放棄をした人がいる場合には、その人を遺産分割協議から除き、相続放棄申述受理証明書などで手続き上説明する必要があります。
遺産分割協議で取得しないだけの人がいる場合には、その人も相続人として協議書に参加し、実印押印や印鑑証明書の提出が必要になることがあります。
この違いを誤ると、相続登記の申請が進まなかったり、書類を作り直したりすることになります。
また、借金がある相続では、司法書士だけでなく、弁護士や税理士など他の専門家との連携が必要になることもあります。
相続財産の中に不動産がある場合、相続人の一部が何も取得しない場合、相続放棄を検討している場合には、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
遺産分割協議で相続分をもらわないことと、相続放棄は、似ているようでまったく違う制度です。
遺産分割協議で何も取得しないことは、相続人であることを前提に、相続人全員の話し合いで財産の分け方を決めるものです。
そのため、何も取得しない相続人も、遺産分割協議に参加し、協議書に押印する必要があります。
一方、相続放棄は、家庭裁判所で手続きを行い、その相続について初めから相続人でなかったものとして扱われる制度です。
相続放棄をすれば、原則としてプラスの財産もマイナスの財産も承継しません。
ただし、相続放棄には3か月の期限があり、次順位の相続人に影響することがあります。
特に重要なのは、債務の扱いです。
遺産分割協議で財産を取得しないと決めても、債権者との関係で当然に債務を免れるとは限りません。
借金や保証債務がある可能性がある場合には、相続放棄を検討する必要があります。
不動産がある相続では、相続登記のために、遺産分割協議書、印鑑証明書、相続放棄申述受理証明書など、状況に応じた書類が必要になります。
司法書士法人JOネットワークでは、遺産分割協議書の作成支援、相続放棄をした人がいる場合の相続登記、法定相続情報一覧図の作成、不動産の相続登記についてご相談を承っています。
「財産はいらない」と言われた相続人がいる、相続放棄と遺産分割の違いが分からない、不動産の相続登記を進めたいという方は、お気軽にご相談ください。


