
「山の中の土地かもしれない」と思ったら|相続した土地はまず地番で場所を確認しましょう
相続が発生したとき、思いがけず土地を相続することがあります。
自宅や実家の土地であれば、場所をイメージしやすいかもしれません。
しかし、亡くなった親や祖父母が所有していた土地の中には、相続人が一度も見たことがない土地、遠方の土地、山林、農地、原野、私道の一部、昔の分譲地、評価額の低い土地などが含まれていることがあります。
固定資産税の通知書に地番は書いてある。
でも、地図で見ても場所が分からない。
市役所に聞けばよいのか。
法務局で公図を取ればよいのか。
地籍調査が終わっている地域なのか。
そもそも山の中なのか、道路沿いなのか、集落の近くなのかも分からない。
このような悩みは、相続した土地では珍しくありません。
特に、「多分、山の中の土地だと思う」という状態では、売却できるのか、管理が必要なのか、相続登記をどうするのか、家族でどう話し合えばよいのかも判断しにくくなります。
相続した土地について大切なのは、最初から難しい判断をすることではありません。
まず、その土地がどこにあるのかを確認することです。
そして、土地の場所を確認するためには、固定資産税納税通知書、名寄帳、所有不動産記録証明制度、登記情報などを順番に確認していく必要があります。
ただし、これらの資料を集めても、それだけで直感的に場所が分かるとは限りません。
書類に書かれているのは、基本的には所在や地番などの文字情報です。
その地番が、地図上のどこを指しているのか。
現地が山林なのか、農地なのか、道路なのか、宅地なのか。
その確認まで進めて初めて、相続した土地について具体的な判断ができるようになります。
この記事では、「山の中の土地かもしれない」と思ったときに、どのように相続不動産を調べればよいのか、固定資産税通知書に載らない土地がある場合の注意点、名寄帳や所有不動産記録証明制度の使い方、そして最終的に地番から場所を確認する重要性について解説します。
相続した土地は、場所が分からないことがあります
相続した土地の場所が分からないという相談は、決して珍しいものではありません。
親が所有していた土地だから、家族なら当然知っているはず。
固定資産税を払っていた土地だから、どこにあるか分かるはず。
登記簿があるのだから、地図でもすぐに見つかるはず。
そう思われるかもしれません。
しかし、実際にはそう簡単ではありません。
土地は、住所ではなく地番で管理されています。
日常生活で使う住所と、登記上の地番は一致しないことがあります。
特に、山林や農地、古くから所有している土地、住居表示が実施されている地域の土地では、地番だけを見ても一般の方が場所をイメージするのは難しいものです。
また、相続人が遠方に住んでいる場合、現地を見に行くこと自体が負担になります。
山の中の土地であれば、道があるのか、車で近くまで行けるのか、そもそも現地に近づけるのかも分かりません。
相続した土地は、「あること」と「場所が分かること」が違います。
書類上、土地があることが分かっても、その土地が地図上のどこにあるのかが分からなければ、活用も管理も売却も相談も進めにくくなります。
固定資産税納税通知書だけでは不十分なことがあります
相続した不動産を確認するとき、多くの方が最初に見るのが固定資産税の納税通知書です。
固定資産税納税通知書や課税明細書には、土地や建物の所在地番、地目、地積、評価額などが記載されています。
これを見れば、亡くなった方がどのような不動産を持っていたのか、ある程度把握することができます。
しかし、固定資産税納税通知書に載っている情報だけで、相続不動産を完全に把握できるとは限りません。
たとえば、固定資産税が非課税となる土地、評価額が低い土地、課税の扱いが特殊な土地、共有持分の土地、道路や私道のような土地などは、通知書上の見え方が分かりにくいことがあります。
また、被相続人が所有していたすべての不動産が、相続人の手元にある通知書だけで把握できるとは限りません。
古い土地、遠方の土地、共有地、名義が残っているだけの土地などは、家族が存在を知らないこともあります。
固定資産税納税通知書は重要な手がかりです。
ただし、それだけで安心してしまうのではなく、必要に応じて名寄帳などで確認することが大切です。
名寄帳で被相続人名義の不動産を確認する
相続した不動産を調べるときに重要になる資料が、名寄帳です。
名寄帳とは、市区町村ごとに、特定の所有者がその市区町村内に所有している固定資産を一覧的に確認できる資料です。
固定資産税納税通知書が手元にない場合や、通知書に記載されている不動産以外にも土地がある可能性がある場合には、名寄帳の取得を検討します。
たとえば、亡くなった方がある市町村に複数の土地を持っていた場合、その市町村で名寄帳を取得することで、土地や建物の一覧を確認できることがあります。
名寄帳には、地番、地目、地積、評価額などが記載されることが多く、相続登記の対象となる不動産を整理するうえで重要です。
ただし、名寄帳にも注意点があります。
名寄帳は、基本的に市区町村ごとの資料です。
そのため、亡くなった方が複数の市区町村に不動産を持っていた場合、一つの市区町村で名寄帳を取っても、全国の不動産がすべて分かるわけではありません。
また、名寄帳を見ても、その土地が地図上のどこにあるのかが直感的に分かるとは限りません。
名寄帳は、不動産の一覧を把握するための重要な資料です。
しかし、土地の場所を知るには、そこに記載された地番をもとに、さらに地図上の位置を確認する必要があります。
所有不動産記録証明制度で全国の不動産を把握しやすくなる
令和8年2月2日から、所有不動産記録証明制度が始まりました。
これは、相続人などが、被相続人名義の不動産を把握しやすくするための制度です。
特定の被相続人が、所有権の登記名義人として記録されている不動産について、登記官が一覧的にリスト化し、証明書として交付する制度です。
相続登記の義務化により、相続人は相続した不動産について登記申請を行う必要があります。
しかし、そもそも亡くなった方がどこに不動産を持っていたのか分からなければ、相続登記の対象を把握できません。
そこで、所有不動産記録証明制度は、不動産の見落としを防ぐための制度として期待されています。
これまで、不動産を調べる場合には、固定資産税通知書、名寄帳、権利証、登記識別情報、古い契約書、家族の記憶などを手がかりにする必要がありました。
所有不動産記録証明制度により、被相続人名義の不動産を一覧的に把握しやすくなることは、相続人にとって大きな助けになります。
特に、親がどこに土地を持っていたのか分からない場合、遠方の土地や古い土地があるかもしれない場合には、非常に重要な制度です。
所有不動産記録証明だけでは「場所」は分かりません
所有不動産記録証明制度は、とても便利な制度です。
しかし、ここで大切なのは、所有不動産記録証明は「不動産の一覧」を把握するための制度であり、それだけで土地の場所が直感的に分かるわけではないという点です。
証明書に記載されるのは、登記記録上の不動産情報です。
つまり、所在や地番などの文字情報が中心です。
そこに「山の中のこの場所です」「この道路沿いです」「この集落の裏手です」「この農地の一角です」といった形で、誰でもすぐ分かる地図が付いてくるわけではありません。
たとえば、所有不動産記録証明で、亡くなった方名義の土地が見つかったとします。
しかし、その地番を見ても、相続人がすぐに場所をイメージできるとは限りません。
「〇〇町字△△123番4」
このように書かれていても、それが山の中なのか、畑なのか、道路沿いなのか、住宅地なのかは、別途確認しなければ分かりません。
つまり、所有不動産記録証明制度は、不動産を「見つける」ためには役立ちます。
しかし、見つけた不動産の「場所を理解する」ためには、地番を地図上の位置に結び付ける作業が必要です。
「山の中の土地かもしれない」と思ったら、まず場所確認
相続した土地について、「多分、山の中の土地だと思う」という状態は、とても不安です。
山林なのか、原野なのか。
道路に接しているのか。
近くに民家があるのか。
管理が必要な土地なのか。
売却できる可能性があるのか。
相続土地国庫帰属制度を検討できるのか。
森林法などの届出が必要になるのか。
こうした判断は、土地の場所が分からなければ始まりません。
相続した土地が山の中にある可能性がある場合、いきなり現地へ行くのは大変です。
地元の市役所に問い合わせる方法もありますが、何を聞けばよいのか、どの部署に聞けばよいのか、どの資料を出してもらえるのか分からないことがあります。
もちろん、市区町村の税務課、資産税課、農業委員会、林務担当部署、建設課などが手がかりになることはあります。
地域によっては、地番と航空写真を重ねた資料を見せてもらえる場合もあります。
しかし、一般の相続人にとって、その窓口を探し、資料名を確認し、現地のイメージをつかむことは簡単ではありません。
だからこそ、まず地番をもとに、地図上で土地の場所を確認することが大切です。
市役所や法務局に行く前に、地番と場所を結び付ける
相続した土地を調べる方法として、市役所や法務局へ行くことは有効です。
市役所では、名寄帳、固定資産税関係資料、航空写真、都市計画情報、農地や森林に関する情報などを確認できることがあります。
法務局では、登記事項証明書、公図、地積測量図などを取得できます。
しかし、市役所や法務局に行く前に、相続人自身がある程度、土地の場所を把握しておくと、その後の確認がとても楽になります。
場所が分かっていれば、市役所に問い合わせるときも、具体的に相談できます。
「この地番は山林の中にあるようですが、森林法の届出対象になりますか」
「この土地は農地のようですが、農業委員会への届出が必要ですか」
「この土地は道路沿いですが、建築できる土地ですか」
「この土地は市街化調整区域にありますか」
このように、場所を前提に質問できるようになります。
反対に、地番だけを見て「この土地はどこですか」と問い合わせても、部署や自治体によっては案内に時間がかかることがあります。
地番と場所を結び付けることは、専門家や行政窓口に相談するための準備でもあります。
場所が分かると、次に何をすべきかが見えてきます
相続した土地の場所が分かると、次に確認すべきことが見えてきます。
もし山林であれば、森林法上の届出が必要か、市区町村や都道府県の担当部署に確認することになります。
もし農地であれば、農業委員会への届出や、売却・貸付・転用の可否を確認することになります。
もし道路沿いの宅地であれば、相続登記、売却査定、境界確認、建築可能性などを検討します。
もし私道や通路であれば、自宅敷地や隣地との関係を確認します。
もし遠方の管理しにくい土地であれば、売却、寄附、相続土地国庫帰属制度、管理委託などの選択肢を検討することになります。
このように、土地の場所が分かると、次の相談先が具体的になります。
司法書士に相続登記を相談するのか。
土地家屋調査士に境界や測量を相談するのか。
不動産会社に売却可能性を相談するのか。
市役所や農業委員会に届出や規制を確認するのか。
家族で管理方法を話し合うのか。
すべては、場所が分かってから具体化します。
相続登記の義務化と土地の見落とし
令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されています。
相続によって不動産を取得した相続人は、原則として、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
この制度により、相続した不動産を放置しないことがより重要になりました。
しかし、相続登記をするためには、まず相続した不動産を把握しなければなりません。
固定資産税通知書に載っている土地だけを見ていると、見落とす土地があるかもしれません。
名寄帳を取ることで、市区町村内の不動産を確認できる場合があります。
所有不動産記録証明制度を使うことで、被相続人名義の不動産を一覧的に把握しやすくなります。
ただし、どの資料を使っても、最終的には、その土地が地図上のどこにあるのかを確認する必要があります。
土地の場所が分からなければ、相続登記をした後の管理や活用の判断ができません。
相続登記は、名義を変える手続きです。
しかし、相続した土地をどうするかを決めるには、場所の確認が欠かせません。
地番は「土地を探すための入口」です
相続した土地の場所を確認するとき、重要な手がかりになるのが地番です。
地番は、土地一筆ごとに付けられている登記上の番号です。
固定資産税通知書、名寄帳、登記事項証明書、所有不動産記録証明書などには、この地番が記載されます。
ただし、地番は住所とは異なるため、一般的な地図アプリでそのまま検索しても、正確な場所が出てこないことがあります。
特に、山林や農地、広い字区域、住居表示がない地域では、地番だけで現地を特定するのは難しいことがあります。
それでも、地番は土地を探すための入口です。
地番をもとに、公図、地番図、航空写真、地籍調査成果、登記情報、固定資産税資料などを組み合わせることで、土地の場所に近づいていくことができます。
問題は、この作業が一般の相続人には分かりにくいことです。
どの資料を取ればよいのか。
どの地番がどの場所なのか。
公図と航空写真をどう見ればよいのか。
市役所に何を聞けばよいのか。
この部分で止まってしまう方が多いのです。
LR-Visionで地番から場所確認をする
LR-Visionは、相続した土地の場所を確認するための土地位置確認サービスです。
固定資産税通知書、名寄帳、登記情報、所有不動産記録証明書などに記載された地番をもとに、その土地が地図上のどこにあるのかを確認できる形にしてご案内します。
「山の中の土地かもしれない」
「市役所に聞く前に、まず場所の当たりをつけたい」
「固定資産税通知書に地番はあるが、地図で見ても分からない」
「名寄帳で土地が見つかったが、どこにある土地なのか分からない」
「所有不動産記録証明で不動産の一覧は分かったが、場所が分からない」
このような場合に、まず地番から場所を確認することで、相続手続きの入口が整理されます。
場所が分かれば、専門家への相談も、市役所への問い合わせも、家族との話し合いも進めやすくなります。
相続した土地について、最初に必要なのは「価値があるかどうか」を決めることではありません。
まずは、その土地がどこにあるのかを知ることです。
無料で相続した土地の場所確認を申し込む
固定資産税通知書、名寄帳、登記情報、所有不動産記録証明書などに記載された地番が分かる場合は、以下のフォームから無料で土地の場所確認をお申し込みいただけます。
この無料調査は、入力された地番をもとに、土地の位置を確認するためのものです。相続人、所有者、権利関係、境界、売却価格、法的評価を確定するものではありません。
固定資産税の通知書や名寄帳に地番は書かれているけれど、実際にどこにある土地なのか分からない。そんな方のために、地番をもとに土地の場所を地図上で確認できる形にしてご案内します。
無料申込フォームから一度にお申し込みいただける地番は、6筆までです。
7筆以上の土地がある場合は、土地の件数や資料の内容を確認したうえで、調査方法をご案内します。
お問い合わせページが別画面で開きます。現在入力している内容は、この画面にそのまま残ります。
まとめ
「山の中の土地かもしれない」と思う相続不動産は、まず地番で場所を確認することが大切です。
固定資産税納税通知書に土地が記載されていれば、それは重要な手がかりになります。
ただし、固定資産税納税通知書だけで、被相続人が所有していたすべての土地を把握できるとは限りません。
必要に応じて名寄帳を取得し、市区町村内の固定資産を確認しましょう。
さらに、令和8年2月2日から始まった所有不動産記録証明制度を活用すれば、被相続人名義の不動産を一覧的に把握しやすくなります。
しかし、名寄帳や所有不動産記録証明書を取得しても、それだけで土地の場所が分かるわけではありません。
そこに書かれている地番が、地図上のどこを指しているのかを確認する必要があります。
場所が分かれば、山林なのか、農地なのか、宅地なのか、道路に接しているのか、管理が必要なのか、売却や活用を検討できるのかが見えてきます。
相続登記、遺産分割協議、管理、売却、行政への届出、専門家への相談も、場所が分かることで具体的に進めやすくなります。
相続した土地は、書類上の地番だけでは見えてきません。
相続が発生したら、まずは不動産の一覧を確認し、次に地番をもとに土地の場所を確認しましょう。
「山の中の土地かもしれない」
そう思ったら、まず地番で場所を確認することから始めてみてください。


